ど素人目線から観た『アメコミが元のヒーロー映画5選』
2015年はマーベル映画が盛りだくさんでした。そして2016年はDCコミック映画が盛りだくさん公開予定ですね。もちろんマーベル作品はほぼ観ました。そして今後公開予定のものもなるべく全て劇場で観る予定です。
しかし自分、マーベルもDCコミックも読んだことは一切ありません。なのでそれらが元の映画をみても「オリジナルとはまた違った展開で面白い!!」、「漫画であったあのシーンを映像で見れることができるとは!!!」などといった感動を味わうことがなく、ただただストーリーが面白いか、キャラが魅力的だったかがその作品の判断基準です。
おそらく自分みたいな人が多くいらっしゃると思われます。そんないわゆるヒーロー映画が素人な自分が本当にこれは面白い!!と思ったヒーロー映画を5作品勝手に紹介したいと思います。
- 『ダークナイト』(2008)
バットマンは過去作が多く、中でも有名なのがティム・バートン版の『バットマン』。この作品も悪役はジョーカーです。悪役が同じということでよく今作と比較されていますが、それはナンセンス。そもそも作風が全く異なるのでよりアメコミに近づけたほうがいいのならバートン版、現実に近いシリアスな作風ならノーラン版とただただ好みの問題であります。
今作は演出から俳優の演技、脚本全てが見事なのですが自分があえて素晴らしいと感じた部分を上げるとするならば、それは一貫した"路線"。
今までのバットマンシリーズはどこかファンタジックな雰囲気を醸し出す背景、街の造り、そしてヒーロー映画らしい(?)音楽、単純明快なストーリーとなっていますが、今作は一風変わってよりリアルに、より淡々と、バットマンをヒーローではなく、一人の"人間"として扱っています。その反面、悪役のジョーカーは一切素性が明かされず、なにを考えているのかわからない不気味な"バケモノ"扱いされることによって、よりバットマンの人間味を感じることができました。
全体的にはリアルなつくりになっていますが、随所随所で挟まれるファンタジックなモノが妙にバランスをとれていて、この絶妙なバランスが見事です。
今作はアクションシーンもCGをなるべく使わず迫力がありますが、やはり登場人物一人一人の心情の変化を楽しむ作品であると思いました。
- 『スパイダーマン2』(2004)
なにやら今後良からぬ事が起こりそうな前作から二年の月日が経ち、スパイダーマンとして悪役を倒しながら学校にも通っているが、やはり勉強のほうが疎かになっていて落第寸前。親友のハリーとはうまくいっているものの、憧れの美女(笑)MJとの距離は開いていく一方。そうした不安定な生活を送る中、新たなる強大な敵が現れる。
サム・ライミの代名詞、アクションシーンでのスローモーションの多用が今作非常に効果的に使われています。今観ると少し見劣りしてしまいますが、当時はなんてすごいアクションシーンなんだ!!と思ったほどCGもキレイ。
しかしアクションシーンが一番の見所ではありません。今作の一番の見所は何と言っても主人公ピーターの"葛藤"です。自分の逃がしたチンピラに伯父さんが殺されるという過去を持っているためか、街で暴虐の限りを尽くす悪人からチンピラまでの逮捕に徹底的に協力していますが、その一方で学業、友人関係が乱れていき、ピーター自身が不安定になっていくこの一連の流れが非常に丁寧で感情移入しやすく、痛々しいです。
こちらも『ダークナイト』同様、ヒューマンドラマを楽しむ作品であると思いました。
- 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
少し話がズレますが、SF映画の歴史はとても長いです。そしてSFというジャンルは非常に幅広いものです。例えば『ハリー・ポッター』などと言ったファンタジー映画もSF。『マッド・マックス』『ブレードランナー』などの荒廃した近未来世界が舞台の作品もSF。『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のようなタイムパラドックスを扱った作品ももちろんSF。他にも挙げたらキリがないぐらいにSFというジャンルは様々なものに枝分かれしています。
今作はその中では宇宙冒険活劇、いわゆる"スペースオペラ"に分類されます。スペースオペラの代表作はご存知の通り『スター・ウォーズ』『スター・トレック』『バーバレラ』などがありますが、いかんせん有名作品が少ない!!そしてハズレが多い!!人間以外の着ぐるみ系宇宙人が苦手な人が多い!!と盛り上がりに欠けるジャンルです。
ここで出てきたのが今作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。ヒーロー映画ではありますが、立派なスペースオペラ作品です。今作の成功した鍵は今までのスペースオペラ的要素のいい部分を踏襲し、世界観を壊さない程度に地球との繋がりを見せた新スペースオペラを作り上げたことだと感じます。
詳しく話すとキリがないのでここまでにしておきますが、人によってはどハマりする作品だと思われます。
お見事!!!!
『X-MEN フューチャー&パスト』(2014)
自分たちよりくそつええ奴らが現れた!!勝てねぇ…どうしよう………そうだ!!!その奴らが誕生した時代に戻って防げばいいんだ!!よし!戻るぞ〜!
といった超絶ご都合主義なストーリー。
昔から今まで根強く残る人間の差別問題。人間は非常に自分勝手な生き物です。今まで憧れだった対象が一瞬でも脅威に見えちゃうと態度を一変し、我々人間様にとって害のあるものと見なし排除しようとする。
今作のシリーズはヒーロー映画の皮を被ってはいるが、本筋は人間の自己中心的思考を皮肉った作品だと感じました。友を殺された者が、復讐をし、そしたら殺された側の親類が復讐しにくる、そしたら殺された側の親類が…と永遠に殺しあうこの負の連鎖の影を忍ばせつつ、スーパーパワーを持つ超人同士の破茶滅茶なバトルが展開されていきます。
そして今作は、X-MENの世界上での負の連鎖に終止符を打った作品です。クライマックスの演出が本当に見事です。一応続編もありますが、今作の出来は最高にいいのでこれで終わりでもいいのでは?と思ってしまうぐらい素晴らしいものでした。
『スーパーマン3』(1983)
今回のテーマで最後に紹介する映画はこの『スーパーマン3』!!
最後に紹介するには相応しくないぐらい低評価の声が多い今作。ヒーローと聞いたらまず浮かび上がるのがスーパーマン(個人的にです)。何故3?3ならまだ1、リターンズのが面白いって思われてる方がいると思います。確かに今作はスーパーマンシリーズで1番迫力、勢いがないと言っても過言ではありません。それどころか悪役は結局頭がいいのか悪いのか、実際に悪い奴なのかなんなのか、つまり中途半端。
では今作のなにに惹かれたのか?答えは簡単そのヒーロー映画になりきれない中途半端さです。
なんて言えばいいんでしょうか。今作を観たのが最近だったということも絶妙なタイミングだったと言えます。近年マーベルがクライマックスに向けてより重厚度が増した作品が多く、それに合わせるかのように他のヒーロー映画もシリアスになっています。それはそれでかなり満足はしてますが、ずっと油ののった牛丼ばっかりだとやはり飽きてきます。たまには立ち食いそば屋でささっとかけそばを食べたいものです。そういった気分のときにはかなりオススメです。
しかしあまり評価が良くなく、ヒーロー映画として観たら迫力も皆無です。あくまでスーパーマンのパロディとして観ることをオススメします。
以上です。
ヒーロー映画はただのアクションではなく、そのヒーロー又は悪役が一体何を意味しているのか、そういった深読みして観たらより魅力が増し、哲学的にも深い映画が多いです。そしてキャスティングによって大きく評価が分かれるジャンルだとも思えます。
個人的に『デッドプール』が楽しみです。
一体いくら稼げばいいんだマーベルよ!