暇人映画レビュー

バカが書いた映画レビューです 初心者なので拙いですが、よろしくお願いします

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)

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〜ストーリー〜

  核戦争によって荒廃し、金貨より水と石油の方が価値がある近未来世界。
  主人公のマックス(トム・ハーディ)は、水と石油と武器を支配する悪玉ジョーのことを裏切った元右腕のフュリオサ(シャーリーズ・セロン)と、ジョーが捕らえていた子産み娘と共に自由へと逃走する。
  果たして彼らは無事に逃げ切れることができるのか?そして、逃げた先に自由はあるのか?

〜感想〜

  今作公開年は機が熟したと言わんばかりに過去の名作シリーズ続編、リブート作品が沢山公開されました。一つ一つ挙げるとキリがないので省きますが、恐らく公開されたそれぞれのリブート作品に強い思い入れがあった方が多いと思われます。個人的にその作品たちに対して懸念していたのは「それぞれ創り上げてきたその作品の"世界観"が無事に継承されているかどうか」、そして「過去作のファンを大事にした作品であるかどうか」の二点でした。
    
  大体の作品は過去作に出ていた出演者が主役にしろ脇役にしろその役で登場していたので、そのキャラの若かりし頃のシーンとかを鑑賞中に頭の中で浮かべて懐かしむと同時に目頭が熱くなったりもしました。
  
  しかし今作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は公開前、非常に不安でした。理由は簡単マックス役がまさかのまさか、メル・ギブソンではなかったからです!決してトム・ハーディが嫌いだったとかではないのですが(むしろ好き)、やはり80'sディストピア作品の代表作になったのはメル・ギブソンのおかげです。それぐらいマックスがハマリ役だったメル・ギブソンからトム・ハーディにまさかのバトンタッチ。
  歳を考えるとこれが順当なのでしょうが、やはりファンとしては悲しい気持ちになりました。
  それに監督のジョージ・ミラー。彼の続投は嬉しいニュースでしたが最後にマッドマックスを撮ったのは1985年の『マッドマックス/サンダードーム』(出来はあまりいいとは言えませんが…)。それ以降はなにやら不気味なぐらい小綺麗な豚野郎が都会に行っちゃう話や不気味なぐらい歌が上手いペンギン共の成長期を描いたりとアクション作品とはだいぶかけ離れた作品の製作をしていました。正直な話、やべえぞ…大丈夫かよ……と思っていました。笑

  上の文面でも分かる通り期待:3不安:7と期待はあまりしていなかったです。
  
  とか言いつつもやはり気になるので公開日当日に視聴…。

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  観終わってまず思った一言は  

  ヤッベェ

  でした。笑

  冒頭、今までに見たことがないぐらい穏やかで透き通った青空と一面に広がる砂漠の世界。それを高台で傍観する新マックスが軽くこの世界についてを語り始める。美しい風景とは裏腹にマックスの口から語られる言葉は聞くに堪えないことばかり……そしてなにやら起きそうな予感……。
 この風景に見惚れるのも束の間、急に爆音が流れ始めこれぞマッドマックスと言わんばかりのモブ悪役共が唸り声を高らかに上げ、改造車でマックスを追う。
  いきなりかよ!!と思った矢先すぐにマックスの愛用車"インターセプターV8"はひっくり返され大破し、マックス本人も捕まってしまう。
  え!?
  マックス背中をイジられてる最中に急に暴れて脱出。狭い通路を縦横無尽に逃げるマックスとそれを追うなにやら全身が白塗りの危ない雰囲気の男たち。逃げて逃げてようやく外への扉らしきものを見つけて力一杯開けるとそこはまさかの断崖絶壁。前は断崖絶壁、後ろは白塗りの変態たち、万事休すか!?と思いきやいきなり前にジャンプしクレーンの先っちょに無我夢中でしがみつく。しかし必死の抵抗も虚しくマックスはまた白塗りの変態たちに捕まりここでタイトルロゴ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。

  これはヤバイ……これはヤバイ…マズイぞ…。冒頭からタイトルロゴしか観てないのにすでに鳥肌ぶわぁぁー状態。


  この後の一つ一つの展開もかなり"ヤッベェ"だったのですが、書いていたらキリがないのでここら辺でやめておきます。笑

  
  とりあえず本編、見事なまでに人間ドラマなどの説明がないです。キャラの魅力、世界観、ストーリーは全てアクションで語ってやると言わんばかりに終始アクション。潔い。緩急など存在しない、常に急。フルスロットルで120分が過ぎていきます。なのでストーリーとかは結構ペラッペラ。しかしそのペラッペラなストーリーを補うどころか、そんなんどうでもいいと思わせてくれるカーアクションの出来が非常に見事。CGをなるべく駆使せず、車の爆発などは 全部実際にやっていてマイケル・ベイ顔負けの迫力 です。殴り合いとかも一部早回しにしスピード感を出すなど様々な工夫がされています。
 兎にも角にもアクションが軒並み以上です!

 
   しかし仮にも主人公はマックスです。一応過去に救えなかった女の子の幻覚が見えたりと人を助けること、他人のために何かをすることにトラウマを抱えているという設定はありますがそれがあまり上手く活かしきれてなく、主人公感が薄いことは気になりました。トム・ハーディは良かったのですが、やはりマックスはメル・ギブソンだなというのが正直な感想です。酷評している方の言いたいことも十二分に理解できます。

  とは言ったもののやはり今作は胸を張ってシリーズ1面白かったと言える作品です。
  しつこいようですがアクションシーンはかなり凄かったです。臨場感も迫力もありましたが、なにより勢いが凄かったです。もちろんアクションシーンだけでなく人間の色彩をなるべく抑え、より色艶やかに輝いていた背景、それをする意味があるのか??と思わずツッコミたくなる二重のキャデラック、その他小さな小道具、服装などにも注目です。
  
  
  まだ未鑑賞の方、後悔してますよ!!